『夕暮れツイッター』は今も昔も我々はかまってちゃんであること教えてくれる|みきとPレビュー

みきとP 1stアルバム『みきぺぢお』収録の『夕暮れツイッター』ついて書いていこうと思います。

後に2012年に発売される同人アルバム『ぼかろ男子ぼかろ女子』にGUMI歌唱版が収録されましたが、当時miki版のCD収録を望む声も多く聞かれました。まだ当時『みきぺぢお』は再販されていなかったため、本曲はニコニコ動画でしか聴くことが出来ませんでした。

本曲は、みきとPのセツナロックの始まりの一端だと思っています。

みきとPの引き出しとしてはセツナロックはあったはずですが、『みきぺぺぢお』は実験作的意味が強いためか、後に出てくるような傾向の曲は少なく、むしろこの曲だけのように感じます。

左右で喧騒するギター

イントロから左からテレキャスター、Bメロから右側でリードギターが聴こえてきますが右のギターの音が未だ特定できていません。恐らくリッケンバッカーだと思うのですが。再録版でも音作りは太くなったものの同じギターだと思います。

この左右から聴こえるギターが意図的かボーカルにギリギリ干渉するかしないかほどまでに大きめの音量になっていて、これが帰り道の喧騒のようで、サビ直前の短音引きフレーズがサビの「急いで帰ろう」の意を決した心境を表しているようにも聴こえてきます。

再録版だと音量に変わってギターの手数が増えてより顕著に喧騒感がある気がします。

見知らぬ大切なお友達にただいまを言う

本曲の発表は2010年ですが、全然今にも通じるツイッター事情を描いていると思います。むしろ今の方がこの歌詞のように拗らせている人が多い気すら感じます。

『ロキ』でもそうですが、拗らせた人に刺さる歌詞が生々しいのは流石、特に本曲では難しい単語を使わず、どちらかというと幼稚ささえ感じさせる歌詞で描写しています。

これは、後のアルバムに収録される『コカコーラタイム』という曲でもとっている描き方なのですが、心の内面、素直な気持ちの部分が凝縮されていてより印象的に受け取ることができるので私は好きな描き方です。

ツイッターという固有名詞が生むインパクト

サビ最後の歌詞、表題でもある「夕暮れのツイッター」ですが、非常にキャッチーなものになっています。

「夕暮れの〇〇」を決めるために難産したのか、メロディと歌詞が同時に出てきてそれに合わせて曲を構成していったのか気になります。

後記

オリジナルと再録版を含めると3つあるのですが、再録版は結構ドラムの手数のフィルの多さが目立ってよりバンドサウンドな方向になっています。『みきぺぢお』収録の方はポップで、再録版の方はロックに近い印象を受けるのですが、そういったところもみきとPのセツナロックの始まりを感じられて好きな曲です。

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